前回の講座では、「document.cookie = "count="+n+ ……」という具合にクッキー名を指定して書き込み処理を行いました。しかし、今回は“名前”と“訪問回数”の2つのCookieを読み書きする必要があります。これを前回と同様に個別に処理すると、それだけJavaScriptが長くなってしまいます。そこで、Cookieにデータを書き込む関数と、Cookieからデータを読み込む関数を汎用化させます。このようにしておくと、読み書きするCookieの数が増えても手軽にJavaScriptを書けるようになります。

まずは、Cookieにデータを書き込む関数を汎用化します。これは、クッキー名と値を引数で渡すようにすると実現できます。以下に示した例では、「setename」がクッキー名、「setdata」が値となります。このようにしておけば、関数を呼び出す際に2つの引数を指定するだけで、どんなクッキー名でも書き込みが行えます。なお、この場合は、値に数値または文字が含まれるため、escapeを使って「setdata」をASCII形式に変換しておきます。 function setCookie(setname,setdata){ t = new Date(); t.setTime(t.getTime()+(365*1000*60*60*24)); expt = t.toGMTString(); document.cookie = setname+"="+escape(setdata)+";expires="+expt; }

続いては、Cookieからデータを読み込む関数を汎用化します。この際に必要となる引数は、クッキー名となる「getname」だけです。Cookieから読み取った値「getdata」は、戻り値として元に返す必要があるため、「return getdata」を必ず最後に記述しておきます。そのほか、ASCII形式を文字に変換するunescapeも忘れないようにしてください。 function getCookie(getname){ cName = getname+"="; getdata = null; cCookie = document.cookie+";"; start = cCookie.indexOf(cName); if (start != -1){ end = cCookie.indexOf(";",start); getdata = unescape(cCookie.substring(start+cName.length,end)); } return getdata; }

2つの関数が記述できたら、あとは実行したい処理に従ってJavaScriptを記述します。今回の例では、以下のような流れでJavaScriptを作成しています。 ＜1＞「namae」というクッキー名の値を「username」に読み込む（1行目） ＜2＞「username」が「null」であった場合は…（2行目） 　　・名前を入力してもらう（3行目） 　　　※名前が入力されなかった場合は「匿名」にする（4〜6行目） 　　・名前をCookieに書き込む（7行目） 　　・訪問回数「count」を1にする（8行目） ＜3＞「username」が「null」でなかった場合は…（9行目） 　　・Cookieから訪問回数を読み込む（10行目） ＜4＞名前と訪問回数を表示する（12行目） ＜5＞訪問回数に1を追加する（13行目） ＜6＞訪問回数をCookieに書き込む（14行目） username = getCookie("namae"); if (username == null){ username = prompt("ようこそ！　名前を入力してください","名前"); if (username == null){ username = "匿名"; } setCookie("namae",username); count = 1; }else{ count = eval(getCookie("kaisuu")); } document.write(username+"さん"+count+"回目の訪問ありがとうござます"); count = count+1; setCookie("kaisuu",count);

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